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弱いのは動きが遅いから?


剣道では動きが早い方が遅い人より圧倒的に有利。

そう思っていませんか?

しかし自分より動きが機敏ではない先生から散々打ちのめされた過去の経験から、動きの早さより大切な、勝つための要因についてお伝えしていきたいと思います。




ー目次ー

ーCONTENTSー


打ち始める仕草を見せない


結論から言うと、

相手に打ち始めの仕草を悟られず、

打つべき機会を的確に捉え、

日頃からの素振りで鍛えられた威力ある打突ができれば

よほど動きが遅くない限り、相手を倒すことができます。

まずは、相手に打ち始める仕草を悟られないということについて、お伝えしていきます。





質問です。

あなたが打つ小手、面、胴、突きは、打つ前、打ち始めに、全く無駄な動きが無いと、胸を張って言えますか?


もしこの問いに真正面から真剣に向き合い、解決したという自負が無いのであれば、それがあなたが試合で中々勝てない原因の一つであることはほぼ間違いないでしょう。

何故なら、もしあなたが打つ前と打ち始めに無駄な動作をしているのであれば、相手に出ばなの瞬間を察知されるだけでなく、相手があなたの攻撃に気付き始めてから打つ瞬間まで時間がかかり過ぎて、警戒され、相手に防御されてしまうからです。

それでは、相手が勝つチャンスと、相手が打たれるかもしれないというピンチを同時に教えているようなものです。ハッキリ言って、それで試合に勝てるわけがありません。



ではどうすればいいのか。

この記事ではその問いを明確に答えてみようと思います。

注意点は3つ、打つ前に焦らない。打つ前に一瞬止まらない。打ち始めるタイミングで体を揺らさない。ということです。


焦らない

自分が焦っていると、背中が少し丸くなったり、力んだり、様々な仕草で相手にその気配が伝わり、あなたの打ちは警戒され、出ばなを狙われます。

勝ちたい、負けたくない、という気持ちはあるでしょうが、その気持ちが表に出た瞬間にあなたは圧倒的に不利になることを知ってください。



一瞬止まらない

また、攻め合いの時には一定のリズムで動いていたのに、打つと思った瞬間に、動きが一瞬止まってから打ち始めることが癖になっている人も多くいます。

左足、左手は、いついかなる瞬間でも打ちいける状態にしておかなくてはなりません。そうしないと、打ち始める瞬間を相手に悟られてしまうからです。

逆にいうと、左足、左手の準備が常にできていて、いつでも無駄な動きなく打つことができる人は、皆強いです。

左足、左手の改善方法はとてもシンプルです。

打つ前に一瞬止まってしまう人は、その一瞬で打つ準備をしているのですから、その打つ準備を、構えている間ずっと維持できればいいのです。

打つ前の一瞬を思い出し、その瞬間、体のどこに力を込めているのかが理解できれば、あとはその状態をキープするだけです。

左足のアキレス腱とふくらはぎの間に張りを感じることができれば、良い方向だと思いますので、その調子で打つ前の体全体の準備を再度意識してみてください。



体を揺らさない

最後に、体を揺らさないということですが、これに当てはまる人は非常に多いと思います。自分では気付かない癖だと思いますが、剣道を10年間以上しているような人でも、この癖のせいで大変な損をしている人がたくさんいます。

打つ前に体が揺れると、相手はあなたが打とうとしていることに気付き、身構えるか、出ばなのチャンスとみて打ち込んでくるのです。

打つ前に、「これから打ちますよ~」と言っているようなものです。

今この記事を読んで、自分は大丈夫だろうと感じている人で、体の重心について真剣に考えたことが無い人は、ぜひ注目して読んでみてください。

なぜ無意識に体が揺れてしまうかというと、構えている時や打つ瞬間に体の重心が体の中央真下に無く、後ろや左右に偏っているからだと思います。

打つ前に、偏った体の重心を、一度体の中心に持ってきて、それから打ち始めているのです。

体の重心は、常に体の真下中心、または少し前にあるべきです。

そうしておけば、打つ前に重心の移動をすることなくなるので、無駄なモーションが無い打突をすることができます。

打つべき機会


打つべき機会で打っているか、も大変重要です。

どんなに早くて強い打ちを打ったとしても、相手に防御されては当然一本になりません。打つべき機会とは、相手の防御に隙が生まれ、倒すことができる瞬間のことです。

打つべき機会については別ページで解説しているので、以下のリンクをクリックしてください。

素振りで鍛えた打突の威力


相手の方が自分より動きがゆっくりなのに中々勝てない。むしろ負けてしまいそうになる。

そんな経験、ありませんか?

そういう場合に大抵共通しているのは、相手の打ちがしっかりしているということです。

いつ打たれてしまうか分からない。もし打たれたら、一本になるだけの力強さがある。

強い打突には、そういう恐怖を相手に与えられられる効果があるのです。

そして、しっかりとした打突というのは、面を付けた稽古ではなく、素振りで鍛えられるものです。


打突の強さは、素振りをした回数に比例して強くなっていきます。自分が最高と思える1本の素振りを何百回、何千回、何万回と繰り返す努力に勝る方法はありません。

これが出来ない人は、いくら早く動けても、一本になる打ちを打つことができず、自信を喪失するだけです。

逆に、素振りをコツコツと積み上げさえすれば、素振りをしていない人より遥かに強い打突を打つことができ、相手を圧倒することができます。打ちがしっかりした人の打突は、当たらなくとも相手を恐怖させることができるのです。

どの打突も一本になるように打つのが理想です。

ぜひ取り組んでみてください!